多く食べるだけではNG?効率も考えた栄養摂取のコツ: 葉酸編

栄養について

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プレナタル・ナビの記事でも多く取り上げている厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2015年版)」。この中で、妊娠を計画している女性に対しては食事に加えてサプリメントからも摂取することが推奨されている栄養素があります。それが「葉酸」です。サプリメントからの付加的な摂取が勧められている理由は、葉酸という栄養素が持つ特徴と関係してくるようです。

そもそも葉酸って何?

1940年代にほうれん草から発見された葉酸は、ビタミンB群のひとつ(ビタミンB9)です。鉄とともに赤血球の材料となり悪性貧血の予防を助けたり、心臓病や動脈硬化の原因となるアミノ酸(ホモシステイン)を別のアミノ酸に変えることで、リスクを低減する働きがあります。妊婦さんにとって特に必要な栄養素として語られることの多いビタミンですが、誰にとっても人間が健康的に生活するためには欠かせないビタミンでもあります。

葉酸は水溶性のビタミン

ビタミンには水に溶けやすい水溶性ビタミンと、油に溶けやすい脂溶性ビタミンに分けられ、体内への吸収のされ方や排出・蓄積などにそれぞれ違いがあります。

水溶性ビタミン(葉酸を含むビタミンB群やビタミンCなど)

  • 尿などから体外に排泄されやすく、体に蓄積されづらい
  • 頻度を高めに摂取することが望ましい

脂溶性ビタミン(ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンKなど)

  • 油分と一緒に摂ることで体への吸収がよくなる
  • 水溶性と違い蓄積が起きるので、摂りすぎに気をつけることが必要

また、葉酸を含む水溶性ビタミンは食材の水洗いや加熱、特に「茹でる」といったように水にさらされる調理で失われやすいため注意が必要です。葉酸を食事から効率よく摂取するためには、できるだけ水にさらされる時間を短くしたり、「蒸す」、「炒める」など、栄養がより流出しにくい調理法なども工夫してみるとよさそうです。

生体利用率に注目して、足りない分はサプリメントで

水に溶け出さないように調理したとしても、葉酸を効率的に摂るにはまだハードルがあります。「生体利用率」と呼ばれる、摂取した栄養の量と実際に体内に吸収された栄養の割合、これが妊娠を計画している女性に対してサプリメント利用が進められている大きな理由です。例えば5gのある栄養を摂取した場合に、生体利用率が50%であれば、2.5gしか体内に吸収されていないということになります。

これを葉酸に照らし合わせてみると、一般的な食事で摂取することになる自然食品に含まれる葉酸は食事性葉酸(プテロイルポリグルタミン酸)と呼ばれる種類で、生体利用率は50%と言われています。食材に含まれる葉酸が、調理によってその多くが失われ、その料理に残っている葉酸の50%が実際カラダに取り込まれる訳だとすると…逆算するとものすごくたくさんの葉酸含有食品(サツマイモだと約5本*、イチゴだと約36粒*)食べなくてはいけなくなります。

これに比べ、サプリメントに含まれる化学合成された葉酸はプテロイルモノグルタミン酸と呼ばれる種類で、生体利用率は85%と高い割合で体に吸収することができます。これが、妊娠を計画している女性に対してサプリメントでの付加的な摂取が進められている理由といえます。

*:厚生労働省 先天異常の発生リスクの低減に関する検討会:神経管閉鎖障害の発生リスクの低減に関する報告書(平成12年12月)より

(参考)

摂りすぎには気をつけて、よりカラダが吸収しやすい方法で葉酸摂取を

厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2015年版)」ではサプリメントなどに含まれる化学合成された葉酸はプテロイルモノグルタミン酸の耐用上限量は、18~29歳で900μg/1日、30歳~49歳で1,000μg/1日とされています。水溶性ビタミンの特性や生体利用率から、普段の食事だけではどうしても不足しがちになってしまう葉酸は、この上限を守ってサプリメントから摂取してみてはいかがでしょうか。

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